2013年10月26日

復讐

 全国で初めて、名誉毀損の疑いで“復讐代行業者”が捕まった。23日に広島県警に逮捕されたのは、探偵業で中国籍の翁武剛容疑者(31=東京都葛飾区)。ネット上で「恨み相手の復讐を代行します」とうたっていた翁は、広島県三次市の無職女(29=名誉毀損で略式処分)と共謀し、25歳のOLを誹謗(ひぼう)中傷するメールを、OLの勤務先に十数通送りつけた疑い。

「無職女はOLの元同僚で、海外経由で足がつきにくいメールの送り方を翁から教えてもらっていたようです。今年3月から〈彼女は以前の勤務先で窃盗事件を起こした〉〈彼女は社長の愛人〉という内容の嫌がらせメールを送っていた。翁に支払った報酬は約40万円です」(捜査事情通)

 常軌を逸した女だが、最近はこの手の“復讐”がはやっている。

「業者の数は2ケタでは収まらないでしょう。裏の世界に精通していないとできない商売なので、食えない探偵が副業にしている場合が多い。ほとんど言い値で相場もないようですが、会社をクビにするなど、とことん破滅に追い込んで、成功報酬100万円以上が目安みたいですね」(捜査事情通=前出)

「俺には無縁」とタカをくくらない方がいい。ある復讐代行業者が言う。
「そもそも業者に頼んでまで復讐しようなんて人間は、まず心を病んでいます。ほとんど逆恨みとしか思えない理由が多いのです」

 以前、30代の女性から「彼が浮気したから罰を与えてほしい」という依頼があったそうだ。調べてみたら2人が付き合っている事実はない。つまり女性はストーカー。自分勝手な妄想の中で怒りを募らせていたのだ。「彼」にすれば、まるで身に覚えがないのにターゲットにされたわけ。復讐代行の怖いところで、防ぎようもない。

「復讐代行と聞くと荒っぽいことを想像するかもしれませんが、実際にはささいな嫌がらせをネチネチ繰り返して対象者を精神的に追い詰めます。自宅に無言電話をかけたり、ピザを大量注文したり、ポストに汚物を入れたりする。対象者が参ってきたところで、家族や勤務先に誹謗中傷メールを送りつけます」(復讐代行業者=前出)

 その時点で、対象者の妻も「夫の不倫相手の嫌がらせ?」などと疑心暗鬼に陥っている。メールをきっかけに夫婦仲が一気に壊れ、離婚に至ることもあるんだとか。
 ネットで「復讐代行」を検索したら、約69万件もヒットした。恐ろしい世の中だ。

  


Posted by ran at 13:29